不正を暴き、企業内改革を手掛ける公認会計士が想う「会計のあるべき姿」をことば化
会計のアプローチから、企業の働き方を改革、健康経営へ
かえで会計アドバイザリー代表で、公認会計士の岡村憲一さんは自らの信念を伝える「ことば」を探していました。
一般に「会計士」と聞くと、帳簿を管理し数字の辻褄に齟齬がないよう整えていくイメージを持つ人も少なくありません。しかし、経営者のリクエストに応じて数字の帳尻を合わせることが本来の会計士の仕事ではありません。
岡村さんが目指すのは、社員一人一人がイキイキと働きやすい健全な経営で成長する企業を増やすこと。例え業績が良くても、現場の社員が疲弊している経営は決して健全とは言えません。
企業は「公共」に資するそれぞれの責任を負っているはず。不正やまやかしによって経営を続けるあり方こそ正すべきだと考え、会計事務所を率いてきました。
会計のプロである岡村さんは、その会社の帳簿を見るだけで、どこに経営の課題があるのかを見抜くことができると言います。数字の揺れの向こうには不正がある。不正の影にはパワハラがある。そうした組織の負の構造こそ是正すべきと考え、岡村さんは経営者と向き合ってきました。その仕事ぶりは、まるでコンサルタントです。「会計士」という言葉のイメージを超えた役割を果たしています。
岡村さんは次代の会計士を育成しようと、日々大学生たちをインターンとして迎えています。同じ志で企業と向き合う人材を増やしたいからです。彼らに対して、岡村さん自らの想いを端的に伝える「ことば」はないのか。
わたしをことばにする研究所では、岡村さんと向き合い、その「ことば」を探しました。ヒアリングを重ねていく中で見えてきたのは、かつて大手監査法人に勤務していた時に直面した、大手メーカーの粉飾決算でした。
岡村さんを支える信念とは何なのか?わたしをことばにする研究所の映像化で、その実相を明らかにしました。
映像制作
「肩書きを伝える」編
「ことば化」実施内容(期間約半年)
- 経営者へのヒアリングによる職業観の「ことば化」
- 会計事務所のクライアントに対するヒアリングによる客観的な評価
- 経営者の日常業務の密着による映像化
- 経営陣とのディスカッション
- 映像視聴による、経営者との対話
- 人材育成、人材獲得のための戦略対話
経営者との対話
わたしをことばにする研究所では、ヒアリングや密着取材の中で浮かび上がってきた岡村さんの姿こそ、今の時代に求められる会計士だと感じました。人権を重んじ、透明性を確保し、企業のガナバンスを整理していく。ESGやSDGsといった持続可能な経営のあり方そのものへのアプローチにこそ「会計の正統性」を見出し、共有しました。
「ことば化」のその後
岡村さんの志をさらにインターンの大学生たちに浸透させるため、インターンの学生に対する「ことば化」を実施し、公開可能な映像を制作、広く採用活動に利用できるよう編集を加えました。